ジャイアン化するロシア
ロシアとグルジアの関係悪化問題で、ロシアによる対グルジア制裁がエスカレートしている。直接の原因だったロシア軍将校のスパイ事件は2日、将校4人が解放されて解決したが、交通遮断などの制裁は継続中だ。ロシア在住のグルジア人の排除も進んでおり、ロシアは「反露的」(プーチン露大統領)なサーカシビリ政権の弱体化を狙っている。
9月27日の露軍将校逮捕直後、ロシアはグルジア住民へのビザ発給を停止し2日、航空便や鉄道、郵便も停止した。3日にはモスクワでグルジア系のカジノなどが営業停止に追い込まれ、違法に輸入されたとしてグルジア産ワイン数十万本が押収された。
ロシア入国管理局のチュルキン副長官は5日、「グルジア人に割り当てていた外国人労働者枠は今後認めない」と発表した。グルジアは人口約500万人で、ロシアに住むグルジア人は違法滞在者を含め40万~100万人とされる。グルジア中央銀行の試算によると、本国への送金は今年前半で約2億2000万ドル。ロシア側は実際は年間10億ドル規模で国内総生産(GDP)の15~20%に当たると見ており、出稼ぎや送金禁止の経済への影響は甚大だ。
こうした制裁についてロシアのラブロフ外相は3日、「ロシアで違法に稼いだ金が軍事力強化に使われるのを阻止するため」と説明し、「グルジアが反露政策と決別するまで当面解除されない」と語った。同外相は、「北大西洋条約機構(NATO)加盟も計画し、反露的な軍事立国を狙っている」とサーカシビリ政権を批判した。
ただ、制裁はグルジア側に有利との観測もある。同国の野党指導者イリーナ・サリシビリ氏は5日モスクワで会見し、「制裁は一般住民を苦しめ、サーカシビリ大統領の人気は逆に上昇している」と述べた。
制裁が長引けば、国際社会の対露批判が強まるのは必至だ。制裁継続でロシアが自らを難しい立場に追い込む可能性もある。
さて、最近日本とも北方領土での漁民殺害事件などで関係悪化させているロシアですが、実は旧ソ連の周辺国家とも結構険悪な状況になっている様子。上記の様にグルジアと関係悪化の一途を辿っている所ですが、モルドバとも関係が悪くなっており、ウクライナとはガスパイプラインの問題でこれまた宜しくない状態。唯一良いのはベラルーシ位。
最近の石油等の資源開発が順調な事を背景に重要産業やマスメディアを国家統制下に置き、対立する政商を獄中に放り込んだりとまるでソ連が復活したかの様なプーチン政権。元々KGB出身だけにこういう手段には躊躇する所は無い様で。対外的にも強気の外交を展開、もはや日本の言うことなど耳も貸しません。(サハリンのガス開発も締めだそうとしている最中・・・・信義も何もありゃしません)
こんな状態で「反露政策と決別しなきゃ制裁するぞ」と言うのはある意味戦争みたいなもので、実弾が飛ばないだけに過ぎません。内政干渉もいい所。(元々、ロシア軍将校のスパイ事件がきっかけだけに、自業自得なのはロシアなんですが・・・)逆に「ロシアと手を結ばなきゃ」と思わせる政策を取れなかったロシア政府の外交の失敗をクローズアップさせただけ、と言わざるを得ない気がします。周辺諸国の対ロシア感情の悪化は免れないと思うのですけどね・・・・
グルジアもモルドバもワインの産地として有名なのですが、かなり言いがかりを付けられて対ロシア輸出を止められている様子。モルドバワインは結構高い&流通が少ないのですが、グルジアワインはちょっと嗜ませていただいてますので、今後も応援したいと思う今日この頃。負けるなグルジア!モルドバ! マサンドラワインは贔屓にするぞ!(w
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