中国の歴史今昔
日韓歴史共同研究の報告書が公表され、日韓双方の学者の歴史に対する見方や考え方の違いが明確になった。最大の相違点は、日本の学者が実証的な研究を重んじているのに対し、韓国の学者の研究が政治的な主張から脱却できていない点だ。韓国併合や日本の朝鮮統治、戦後の日韓国交正常化などをめぐり、両国の学者の見解はことごとく対立し、その両論が報告書に併記されたことは興味深い。
日本側の学者が韓国側の主張に引きずられず、日韓併合条約が合法的に成立したことや、日本統治が朝鮮半島に「豊かな大衆消費社会」をもたらしたことなどを堂々と主張したことは、評価されてよいだろう。
真の歴史共同研究というものは、双方の社会が成熟し、言論や学問の自由が十分に認められた状態でなければ意味がない。韓国は民主国家であり、日本の統治を客観的に評価しようという動きも芽生えているが、それを許容する雰囲気は醸成されていない。
金完燮(キムワンソプ)氏の『親日派のための弁明』は、韓国で青少年有害図書に指定されたままだ。戦前の日本統治が戦後の韓国の経済成長に影響を与えたとする米国の学者、C・J・エッカート氏の『日本帝国の申し子』は、日本で反響を呼んでいるが、韓国語訳はない。
近く、第二期の日韓歴史共同研究が始まるが、日本側は今後も、こうした韓国の学問状況を把握し、安易な歴史認識の共有は避けるべきだ。
先の日中外相会談で、日中歴史共同研究についても、日中両国が前向きに検討することで合意した。中国は日本や韓国と異なり、共産党独裁国家である。中国共産党の意に反した歴史観は一切、認められていない。政治的宣伝のためには、歴史的事実までねじ曲げようという国である。
日中共同研究が実現すれば、日韓共同研究のとき以上に激しい対立が予想される。日本側は日韓共同研究の時のように、「南京大虐殺三十万人」など中国側主張の問題点を学問的に指摘していくことが重要である。そのための適切な人選が求められる。
中国は学問の独立に敬意を払う国とは到底言いがたい。日本側はそのことを十分承知したうえで、あくまで実証研究重視の姿勢を貫くべきだ。
元々、中国の歴史は「勝者が作る」ものなので、ある程度はどうしても後を継いだ王朝の正当性プロパガンダ色を承知しながら読まねばならない所があるのですが。それでも中国古代の歴史家達の「事実を伝えよう」とする努力には頭が下がります。 ちなみに、過去の「史記」から始まる中国各王朝の正史は全部で24史。「明史」までです。「清はどうした?」と思われる方、いると思いますが、実は清の正史は現在まで完成していません。中華民国の袁世凱が作らせたのですが、歴代正史の例に倣わずに清朝滅亡後すぐに編纂を始めさせてしまった事や多くの官僚、知識人を動員した為にまとまりに欠け、校正も中国自身の混乱のあおりを受けて殆ど行われず、現在まで正史とは言えないまま「清史稿」という名前で準正史扱いを受けています。
なら、「今なら中華人民共和国が事業を継いで清史を完成させればいいじゃない」と思うでしょう。それは社会主義の中国には無理です。中国共産党には絶対王制を客観的に史学として判断する事は不可能なのです。それは自らのイデオロギーを否定してしまう可能性すらあります。そして、もし中国共産党が自らの存在と絶対王制を矛盾せずに批判した場合、世界の中国史研究者はそれを清の正史とは認めないでしょう。それは単なる共産主義、社会主義のプロパガンダ文書に他ならないからです。一応、それを分かっているからでしょうか、今現在中国は清史の再編纂事業に手を付けていません。ある意味幸いな事です。
上の引用文にもある様に、今の中国は「政治的宣伝のためには、歴史的事実までねじ曲げようという国」です。今後、中国の共産党体制が打倒され、真に民主的かつ自由な意見交換が可能になった暁には清史が完成し、正史25史が完成するのかも知れません。そうなったら、世界の歴史捏造国家の筆頭は朝鮮半島になる事必定ですけどね・・・・・そういう国が隣に3カ国もある不幸を呪いたくなる今日この頃です_| ̄|○
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